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2008年7月20日

「 神さまの家に住む私たち 」  詩編100:1~5、ヘブライ 3:1~6 
                                      香月 茂 牧師


 今朝の聖書箇所に4回も出てきます「神の家」、これは教会だと思われる方が多いと思いますが、ここでの「神の家」はもっと大きな意味を含んでいます。「神の家」の「神の」というのは、4節にもありますように「万物を創造された」神であります。そして「家」というのは、ギリシア語で「オイコス」と言いますが、この言葉は、単なる家の内側、限定された人々を意味するものではありません。もっと大きな意味を持ち、部族、民族をも意味し、さらに世界の人々、人類の意味をも含んでいます。またそれだけではなく、神様が創造された世界、全世界という意味もあります。こうしたことから、現代では「神の家」は、神が創造された世界、そこに住む生き物、さらにその自然環境をも含んで、理解されるようになりました。またこの言葉は、最近言われている「エコロジー」という言葉の語源でもあります。これは「オイコス」と物事の論理であるギリシア語の「ロギア」とが合成されてできた言葉で、「創造された世界の秩序」といった意味がエコロジーにはあります。

 聖書には、神様が全てを創造されたこと、その万物は神様の秩序の中に治められているという視点があります。ですから「神の家」は、信仰者の人々を意味するだけではなく、特に現代では、動植物も自然も神様の御手の中に治められていると言うことで、環境問題の中で取り上げられたりします。私たちは、神様の視点、神様がこの世界を創造された秩序の中に生きるようにされているのです。ただ、これまで教会は「神の家」を狭く理解してきて、創造された世界で起こっていたことに、関心を持とうとせず、またそうした出来事を神様の視点で理解しようともしませんでした。そうした世界とは関係がないかのように考えてきました。

 また創世記の1章28節に、神が人間に言われた「産めよ、増えよ、地に満ちて地を従わせよ。海の魚、空の鳥、地の上を這う生き物をすべて支配せよ」との言葉から、地上の支配権が人間に与えられていると受け止めて、自分たち人間の有益性のみを考え、自然を壊し、生態系を破壊して来た面があるのです。こうした人間の罪の行為をやっと最近になって気付き、もう一度、聖書の言葉を読み直して、聖書の真理の言葉に聞くようになってきました。

 私たちは、この現代に、神の民として、「神の家」に住む者として、生きています。神の家に住むわたしたちの使命として、どんなに小さな事でも、創造されたもの、その秩序を保つように、執り成しの祈りをし、そのための行動をして行きたいものです。この世界は神様の創造物であり、決して偶然に存在しているのではないのですから。神様の御心で創造され、御心の中に治められているのですから。御心に沿う歩みをしていきましょう。
by higacoch | 2008-07-20 21:08 | ヘブライ
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