「あなたがたは、地の塩、世の光である」 イザヤ60:19-22、マタイ5:13-16
香月 茂 牧師 今朝、与えられた聖書箇所はイエス様の教えの中でも有名なところで、良く知られています。昔は山上の垂訓と言われた、9つの幸いが語られた所のすぐ後が、今朝の箇所です。ここは弟子たちに語られた言葉として受け止められています。しかし、5章1節に大事なことが記されています。「イエスは、この群衆を見て、山に登られた。」とあります。群衆を見ないで、弟子たちだけを見られたのではありません。群衆を無視しておられないと云うことです。ここでは群衆と弟子たちは、区別はされていますが、差別されてはいません。イエス様は群衆も憐れんでおられると云うことです。 イエス様は、神の国の伝道を始められた最初の時期に、弟子たちに大切なことを教えられました。「幸いな人は、このような人だ」と教え、それに続けて「あなたがたは、地の塩である。世の光である」と言われました。地の塩とは、世の中の塩と考えていいのです。塩は食物の消毒や防腐剤であり、この世にとって大事なもの、欠くことができないものということです。また光もこの世の闇を照らして明るくする、無くてはならないものです。このイエス様の言葉に、私は驚きます。間違いではないかと思ったりしました。弟子たちを呼び寄せたすぐ後のことです。何年かの訓練後なら、まだ解ります。しかし、始めたばかりです。また、イエス様が「あなたがたは、地の塩となるでしょう。」と言われたのなら解るのです。しかし、弟子となったばかりで、まだイエス様のことモよく知らない時なのです。また将来的に「あなたがたは、これからは、地の塩、世の光とならなければならない」というなら解ります。ですが、イエス様は、いきなり、「あなたがたは、地の塩である。世の光である。」と断言されました。弟子たちの中には「先生がそう言われても、私は地の塩、世の光ではありません。そんな自信はありません。」と言いたくなった者もいたに違いありません。しかしながら、イエス様は「あなたがたは、地の塩となる。」ではなく、「地の塩である。世の光である。」と言われたのです。 イエス様が山に登られた、そのイエス様に弟子たちはついて行き、山に登りました。ここに注目したいのです。イエス様は弟子たちが自分のそばに近づいてきたので、語られました。「あなたがたは、地の塩である。世の光である」と。この言葉は、将来、どうなるとか、どう変わっていくのかではなく、イエス様はついてきた弟子たちを受け止め、「あなたがたは、地の塩、世の光である」と言われました。ただ、あなたがたは塩だ、光だと言われていません。「地」の塩、「世」の光だと言われています。これは、塩、光は、自分のためにあるのではないことを示しています。地の塩は、この地のために塩の働きをする、世の光は、この世のために、照らして明るくする働きをします。つまり、相手のために、仕える働きなのです。この世のために、仕えるためになのです。このことが解れば、イエス様が、どうして「あなたがたは、地の塩、世の光である」と言われたかが解ってきます。 イエス様は、死からよみがえられて、今も生きて働かれています。そうであるなら、弟子たちに言われたように、今も、私たちに「地の塩、世の光」と語り掛けておられます。この言葉によって、イエス様は、大事なことを私たちに語り掛けてくださっています。それは「あなたは、大事な人だ。この世にはなくてはならない人だ」と言ってくださっているのです。あなたは、つまらない人だ、無価値だと言われていません。どうでもいいと言われていないのです。そうではなく、「あなたは、地の塩である。世の光である。」と言われ、「あなたは、この世で毒にも薬にもならない存在ではなく、なくてはならない存在なのだ。」と言われているのです。地で大切な人、あなたは価値ある人だということです。旧約聖書のイザヤ書43章3~4節に「私が、あなたの神、あなたの救い主であるから。私の目には、あなたは高価で尊い。私は、あなたを愛している」とあります。神様の目から見て、あなたは価値ある大切な人だと、神様があなたに語り掛けておられます。イエス様が弟子たちや私たちに、語られたことはこのことだったのです。 心の病を抱えている人、また多感な中学、高校生の中には、自分はつまらない、いなくなった方がいい、死んだ方がいいと、自分で自分を責めている人が案外多く、苦しんでいます。しかし、イエス様は「あなたがたは、地の塩、世の光である。」と言われているのです。皆さんも、ぜひ、聞いて頂きたい。「あなたは、価値ある者、この世には、なくてはならない大事な存在」という、このイエス様の言葉を、しっかりと聞いて生きていきましょう。
by higacoch
| 2016-06-11 15:07
| マタイ
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