「正しい者の生き方」 イザヤ書9:1-6、ローマ1:8-17
2018年には新しい聖書翻訳が出版されます。お手許の「新共同訳聖書」から「標準訳聖書」という名になると言われています。福音派と呼ばれている教会で読まれている新改訳聖書も2017年9月に新しい聖書翻訳が出版予定です。このように時代が進むと聖書も新しい翻訳が出されます。ほぼ35年から40年間ごとに聖書が翻訳されます。新しい聖書翻訳が出ることを、皆さんはどう思い、どう受け止めておられるでしょうか。時代と共に言葉が変わりますから、昔の言葉では若い人に通じなかったり、以前はいい意味だったのに、今は、どちらかというとあまりいい意味ではなくなったりして言葉の意味も変わったりします。また人を差別するような言葉は、相応しくないということもあります。そうした面で、聖書翻訳が出版されるのは良いことだと思っています。今使用している新共同訳聖書は、共同と言われるように、カトリックとプロテスタントと共同で翻訳し、出版されました。これは、良いことだと私は思っています。 そのように、新しい聖書翻訳の聖書が出た時、皆さんはどう思われるのでしょうか。新しい翻訳の聖書を読まなければとまじめに考えておられる人もおられるでしょう。しかし私は無理に新しい翻訳を読まなければならないと考えなくても良いと思っています。新しい聖書の言葉に慣れず、覚えきれないのなら、むしろ古くていいのではないでしょうか。皆さんの中には、若い頃「文語訳」を読んでいたから、これがいいという人もいるでしょう。その訳で御言葉を暗記しているならそれでいいと思います。ただ私は説教者として、教会がイエス様の福音を知らせていくために、次の時代の人への信仰の継承ということを考えて、特に若者たちに知らせていくためには「新共同訳」の聖書の方がいいだろうと思いますので、「新共同訳」から説教しています。 しかし、前の聖書翻訳の言葉と新しい翻訳の言葉との違いがあって、どうしても以前の聖書の言葉が良かったと思うものがあります。またその逆もありますが、今朝与えられたローマの信徒への手紙の1章17節は、口語訳が良いと思います。口語訳では「信仰による義人は生きる」とありました。ところが、新共同訳聖書は「正しい者は信仰によって生きる」とあります。私は現在、新共同訳の御言葉で説教していますので、そこから取って説教題を「正しい者の生き方」としましたが、実を言うと、前の口語訳の言葉から「義人の生き方」にしたかったのです。皆さんに「正しい者」とはどんな人なのかを深く知ってほしいからです。 ここの「正しい者」は、倫理的な正しさに生きている人ではありません。ここは「信仰によって義とされた人」(アブラハムは信仰によって義とされました。創世記15:7参照)を表しています。そうでないと、この後の3、4、5章に語られている「義について」「義とされたアブラハム」へとつながりません。また口語訳では3章10節が「義人はいない。一人もいない」とありますが、新共同訳では「正しい者はいない。一人もいない。」となっています。こうなるとパウロが言う「義人」の意味が、十分に伝わりません。なぜなら、義人の義というのは、特別な意味を含んでいるからです。その後の3章21節から26節には「 今や、律法とは関係なく、しかも律法と預言者によって立証されて、神の義が示されました。すなわち、イエス・キリストを信じることにより、信じる者すべてに与えられる神の義です。そこには何の差別もありません。 人は皆、罪を犯して神の栄光を受けられなくなっていますが、 ただキリスト・イエスによる贖いの業を通して、神の恵みにより無償で義とされるのです。神はこのキリストを立て、その血によって信じる者のために罪を償う供え物となさいました。それは、今まで人が犯した罪を見逃して、神の義をお示しになるためです。このように神は忍耐してこられたが、今この時に義を示されたのは、御自分が正しい方であることを明らかにし、イエスを信じる者を義となさるためです。」あります。 ここには、パウロが伝えたかった「神の義」「信仰による義」によって、義人が語られています。皆さんには、ここの「正しい者」は倫理的な「良い人、善人」ではなく、「神の憐みを頂いた者」という意味であることを覚えて頂きたいのです。神が私たちを憐み、神が私たちのために御子イエス様を送って下さり、そのイエス様が、私たちの罪を負って、私たちの身代わりとして、自らの命を捧げて死んでくださいました。その神の義によって解放された人のことを義人というのです。ですから、義人、正しい者は、「信仰によって生きる」のです。そして「生きる」というのは、信仰から信仰へと生きていくことなのです。わたしたちもイエス様を信じつつ生きていきましょう。
by higacoch
| 2016-01-30 17:01
| ローマ
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