「夫と妻との関係」 詩編127:1-2、エフェソ5:21-33
今朝の聖書の箇所は、伝道者パウロがエフェソ教会の人たちにあてて書いた手紙です。ここでパウロは「妻たちよ、主に仕えるよう、自分の夫に仕えなさい。教会がキリストに仕えるように、夫に仕えるべきである。」と言い、次に「夫たちよ、キリストが教会を愛したように、妻を愛しなさい。」と言って勧めています。 妻には「仕えよ」、夫には「愛せよ」と言って、夫婦関係をキリストと教会の関係にたとえています。つまりキリストを夫とたとえ、教会を妻にたとえて語っています。それはキリストが教会の頭であって、教会はキリストに仕え、キリストは教会を愛することをもって夫婦関係を短くまとめています。 パウロはユダヤ人です。ですからユダヤの夫婦観を今朝の箇所で語っているのです。31節の「それゆえ、人は父と母を離れて、その妻と結ばれ、二人は一体となる」という教えがそうです。これは神様が人間を男と女とに創造された後に、言われた言葉として創世記にも記されています。そしてイエス様も安易な離婚をしていた夫たちに警告されています。ユダヤ社会では離婚が多く、夫側から離縁状を渡して離婚できたのです。イエス様は人々に、弟子たちに言われました。夫が勝手な理由をあげて離縁状を妻に渡して、離婚ができることにストップをかけ、安易な離婚をして、再婚する者は姦淫の罪を犯すことになると言われました。すると、それを聞いた弟子たちはそれくらいなら結婚しない方がいいとさえ言っているほどです。それほど弟子たちでさえ結婚離婚を安易に考えていました。イエス様は二人が一体となるためには、夫も妻も両親から離れること、精神的にも、経済的にも、離れなければならないと教えられました。(マタイ福音書 19章1~12節参照) 古代ローマ帝国内では、離婚が多かったのです。エフェソの人々の中にも離婚をする人たちが多くいたでしょう。そこにある教会の人たちに、パウロは夫婦関係を「妻たちよ、キリストに仕えるように、夫に仕えなさい。夫たちよ、キリストが教会を愛されたように、妻を愛しなさい。」と勧めました。これは、夫と妻が一体となることを教えているのです。つまりキリストと教会が一体であり、切り離せない関係であるように、夫婦関係も一体だと語っています。夫が妻を愛し、妻が夫に仕えること、このことは双方が一体となるすべなのです。なぜなら、仕えることは愛していなければできないし、愛しているなら仕えるでしょう。自分中心の生き方では相手を愛することも仕えることもできません。ですから、仕えること、愛することはよく考えると、それは一つにつながっているのです。ですが、わたしたちは罪人であり、私たちには完全な愛などありません。愛に欠けています。だから、夫も妻も必ず持っていなければならないのは相手を赦す心なのです。どんなに純粋だといっても不純な面があったりします。だから赦しが必要なのです。夫と妻とのケンカには、仲直りするすべを持っていなければならないということです。その点、皆さんはキリストの赦しを知っておられます。自分が罪人である、と。そうです。あなたをキリストは命をかけて愛して仕えて死んで下さったのです。皆さんはこのことを知っており、キリストの赦しの中で生かされています。ですから赦しを知っているのです。そしてその赦しが生きていなければなりません。死んでいたなら、何の効力もありません。つまり信仰が死んでいたなら、赦しの心も死んでしまいます。 私は離婚には絶対に反対だと言っているのではありません。イエス様は決して離婚をするな、離婚する者は、呪われると言われているのではありません。命の危険がある場合には、止むを得ないとのではないかと、私は考えています。 イエス様から直接、教えを受けたペトロも、妻と夫の関係を語っている文章があります。ペトロの手紙一 3章1節~7節を参照して下さい。 ここで二つのことに目が止まります。一つは、夫が御言葉を信じない人であっても、妻の無言の行いによって信仰に導かれるようになるため、とあります。これは、逆も言えます。妻が御言葉を信じない人であっても、夫の無言の行いによって妻が信仰に導かれるようになるために、夫が妻を愛するということです。もしどちらも信仰者であるなら、イエス様が言われていますように、「互いに愛し合いなさい。」なのです。「愛し合う」とは「仕える」ことも含んでいます。 もう一つは、「夫たちよ、生活を共にし、命の恵みを共に受け継ぐ者として尊敬しなさい。」と言っています。ここでは夫に「妻を尊敬しなさい」と言っていますが、今朝の箇所では、パウロは「妻は夫を尊敬しなさい」と言っていますので、これらを合わせれば、お互いが尊敬し合うと言うことです。夫と妻との関係で、本当に大事なことは、実は信仰なのです。そして神によって結び合わされたものであること、縁結び、(この言葉は日本的ですが、)縁結びは神様によって与えられています。そこに立ち返って、夫と妻との関係を見つめ直すことが大事だと教えられます。そして、そのことを忘れないように神様の御言葉を聞き続けることが必要であり、さらに大事なことは、二人を結び付けて下さった神様に祈り求めていくことだと信じています。
by higacoch
| 2013-07-31 16:39
| エフェソ
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