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2012年4月15日

「復活の後」  詩編16:5-11、マタイ福音書28:11-20
                              
 先主日は多くの兄弟姉妹と共にイースター礼拝を捧げることができ、心から嬉しく主に感謝致しました。そのイースターの礼拝でお話ししましたが、復活したイエス様はマリアたちに「私の兄弟たちに、ガリラヤに行くように言いなさい。そこでわたしに会うことになる」とことづけられました。こうして、マリアたちは、主の兄弟たちがいる所、都エルサレムに向かいました。他方、もう一組、同じように、都エルサレムに向かう者たちがいました。墓を見張っていた番兵たちです。彼らは、天使がマリアたちに語り掛けたこと「あの方はここにはおられない。復活なさった」を聞きました。彼らはマリアたちよりも早く都に行き、ユダヤの指導者たちに、イエスの復活を伝えました。すると指導者たちはすぐに仲間と共謀し、番兵たちに多額のお金を渡して買収し、「弟子たちが夜中に、こっそりとやってきて、イエスの遺体を盗んで行った」と言い広めるように命じました。こうして指導者たちはイエス様の復活を隠ぺいしようとしたのです。
 このようにイエス様の復活後に、二つの動きがありました。一つは、イエス様の復活を知らせようとする女性たち、それに対して、それを阻止しようとする番兵たちです。これは、一方が神様の出来事が起こったことを知らせる動きに対して、他方は、神様の出来事をもみ消す動きと言えます。イエス様が復活された後、イエス様の復活を何とか人間の知恵でもみ消そうと、ユダヤの権力者たちはやっきになっていました。
 社会的には弱い立場にあった女性たちですが、神の出来事であるイエス様の復活を伝えようとしました。自分たちが体験した出来事を正直に伝えようとしました。そんな女性たちにイエス様はすぐに現れて、復活した体を見せて「わたしの兄弟たちに、ガリラヤで、わたしに会えることを伝えて欲しい」と託されたのです。
 聖書には、詳しくは記されていませんが、イエス様が復活された後、弟子たちは、早いうちに都エルサレムから離れて行ったと思われます。逃げて行ったのではありません。復活のイエス様に会うために、都からずっと離れたガリラヤに向かっていきました。弟子たちは、イエス様の約束通り、ガリラヤで、イエス様から指示された山に向かって登って行き、ここでイエス様に再会しました。すると、イエス様は弟子たちにこう命じられました。「わたしは天と地の一切の権能を授かっている。だから、あなたがたは行って、すべての民を、わたしの弟子にしなさい。彼らに父と子と聖霊の名によって洗礼を授け、あなたがたに命じておいたことをすべて守るように教えなさい。わたしは、世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる」とおっしゃったのです。
 ここで覚えたいのです。イエス様が言われたことを心に留めたいのです。イエス様は、「あなたがたは行って、すべての民を、わたしの弟子にしなさい。」と言われました。ここには「行って」とあります。行かなければなりません。出かけなければなりません。この「行って」というのは、英語で言えば、「go」です。「行きなさい」です。出かけるのです。どこへ、何しに、出かけるのでしょうか。人々のところへ、すべての民を、弟子にするためにです。すべての人が、対象なのです。自分の身内、仲間、友だち、知り合い、ではありません。自分の側で、この人だけと、選ぶのではありません。福音を聞いていない人の所に、出かけていくのです。あの人に、この人に、と。あの人が来るのを待つのではありません。こちらでずっと待機するのではないのです。出かけるのです。
 私は、自分は内に籠る性分があると思っています。しかしイエス様は、ここガリラヤに留まりなさい、人々があなたの所にやってくるのだから、と言われていないのです。そうではなくて、「出かけなさい。」と言われています。どんなに小さな動きであっても、自分の方から出かけて行くのです。福音を伝えるために、キリストを伝えるために。
 イエス様が、弟子たちに命令されたことを、私は知っていても、どこかで自分は留まってしまうと思っています。そういう自分を知っています。だからこそ、イエス様の言葉を聞かなければなりません。聞かなければ、自分の内に留まり、内向きになってしまいます。イエス様ご自身も、復活後、どこかでじっと留まられたのではありません。すぐに、ガリラヤに向かわれました。弟子たちよりも先にです。あなたがたの後から、私はガリラヤに行くと言われたのではないのです。先に行かれました。だから、ガリラヤで会うことになると言われたのです。この弟子たちに言われたことは、弟子たちだけのものではありません。これは、私たちにも言われていることです。あなたが、出かけるようにと。行きなさい。go と言われているのです。あなたにも「行きなさい」と言われており、主イエス様はあなたを用いようとされているのです。あなたを用いて、一人でも多くの人が神の恵みに生かされるようにと願っておられます。
 復活の後、二つの動きがありました。一つは、イエス様の復活を隠ぺいする動き、他方神が表して下さったイエス様の復活を知らせる動きです。私たちは、イエス様の復活の後に、どちらの動きをしていくのでしょうか。神様がわたしたちの救いのために為して下さった出来事、復活の福音、それを伝えるものとなりましょう。留まるのではなく、出かけましょう。女性たちのように、弟子たちのように、わたしたちも出かけましょう。イエス・キリストの福音、復活の出来事を伝えるために、出かけて行きましょう。それがどんなに小さくても、その働きをしていきましょう。
by higacoch | 2012-04-21 14:18 | マタイ
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