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2009年8月16日

「戦争を引き起こすもの」   イザヤ書 5:1-7、 ヨハネの手紙一 3:15

 戦後64年が経ちました。生き証人が少なくなってきていますが、戦争を風化させてはなりません。戦争の残虐さや悲惨さを次の世代に伝えていかなければなりません。
 今年も広島と長崎で平和宣言が為されました。どちらもアメリカ大統領オバマ氏が「核兵器のない世界を目指す」と宣言したことを取り上げました。核保有国の中で超大国であるアメリカが核兵器廃絶に向けてようやく最初の一歩を踏み出した歴史的な瞬間でした。しかし、その翌月には北朝鮮が2回目の核実験を強行しました。悲しい現実であります。64年前の原爆よりももっと強力な爆弾が、この地上には数え切れない程に保有されています。こうした核爆弾を人間が戦争のために創り出したのです。
 今朝の旧約聖書のイザヤ書に、人間たちの争い、流血が記されていますが、ここは、預言者イザヤによって、神の嘆きと人間の罪への糾弾が為されている箇所であります。神は「わたしは、あなたがたである良いぶどうの木を良い地に植え育てたのに、あなたがたは良い実を結ばず、酸っぱい実を付けた」と言われるのです。あなたがたは独占欲に駆られ、貧しい人々の土地を奪い、自分の財産を殖やして悪を重ね、争いが起こり、流血が為されていると。
 かつて、日本は、アジアを侵略する時、大東亜共栄圏を作ろう、ヨーロッパの国々の植民地支配からアジアの諸民族を解放し、共に栄えていこうと打ち上げ、解放者日本のイメージを大々的に広めていきました。しかし、実はアジア諸国を侵略し、土地を奪い、その民の名を奪い、神社参拝を強制し、天皇のための兵隊になるように皇国臣民になるように教育していきました。
 人が欲に駆られ、隣人のものを奪い取る時、そこに争いが生じ流血が起こります。国が隣国を奪い襲う時、戦争となっていきます。戦争を引き起こすもの、それは人間の罪です。神は人間の罪を糾弾されました。
 預言者イザヤは、神の嘆きと人間の罪の糾弾だけを伝えたのではありません。そんな罪深い人間をも救う神の計画をも伝えました。それが7章に記されているイエス・キリストの誕生です。平和の王として地上に来られたイエス・キリストは言われました。「平和を実現する人々は、幸いである。その人たちは神の子と呼ばれる」と。私たちは戦争ではなく、平和を創り出すことを求められているのです。
by higacoch | 2009-08-22 18:01 | イザヤ書
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