「きよめられなければならない」 列王記上8:22-30、ヨハネ福音書2:13-22
今朝は、私たちの教会、カンバーランド長老教会の創立記念主日礼拝日です。私たちの教会は、1810年2月4日に教会設立しました。それは、東小金井教会が昨年、伝道50周年の記念の年を迎えましたが、50年前にこの地で開拓伝道を始めたというのとは違います。一人の牧師が、ある場所で開拓伝道し、教会の第一号が誕生したという日ではありません。この日は、誤解を恐れずに言うのなら、一つの教会ではなく、一つの教派が生まれた日ということなのです。 さて、今から200年以上前にアメリカではリバイバルが起こりました。いわゆる信仰復興運動が進められ、たくさんの人たちが信仰を持つようになりました。そうした運動に対し、賛成派、反対派がおり、対立していました。私たちの教派を生み出した人たちは賛成派の人たちでした。そうした中で、これは有名の話ですが、マッカドウ牧師の家に、ユーイング牧師、キング牧師、マックイーン伝道師がやってきて、新しい中会を形成するべきかどうかと相談しました。その後、各自が徹夜の祈りを捧げ、翌朝、再び集まって祈り、皆が新しい教会(中会)形成をするようにと導かれました。こうして、私たちの教派は創られていきました。 さて、今朝与えられた聖書個所では、イエス様が、神殿内でなされていたことを目の当たりにし、激しい怒りを表わして行動されたことが記されています。これほどまでに激しい怒りをあらわにされたことはありません。その理由は、神様に捧げる動物、牛や羊、鳩の売買がなされていたからです。しかも普通の市場の5、6倍の値段でいけにえの動物を売って、たんまりと儲けていました。神殿に捧げるお金もユダヤのシケル硬貨でなりませんでしたから、外国の硬貨を両替しなければならなかったので、そこでもかなりの手数料を取っていました。ですから、イエス様は、「今や神殿は、商売の家だ。神殿は神の家であり、すべての人の祈りの家なのに、そこを人間の欲の巣にしている」と怒られたのです。このイエス様の行動に、ユダヤ人は「こんなことをするからには、どんなことを見せてくれるのか」詰め寄りました。するとイエス様は「それなら、この神殿をこわしてみなさい。そうしたら、神殿を三日で建て直してみせる」とおっしゃいました。この言葉を聞いて、ユダヤ人は一層激しくイエス様を憎みました。しかし、イエス様が言われた三日というのは、死んだ者が三日目に復活することでした。死んだものが新しいいのちを得ることだったのです。 今や神殿が、商売の家になっている。そしてこのまま何もしなければ、ここは神殿と呼ばれていても、人間の欲だけが満ちている悪の家であり続けたでしょう。そこでイエス様は、神殿を清められなければならなかったのです。人間の力や決心によって、人間の欲にまみれた神殿を清めて、真実な神の家とすることはできません。真に清められるということはこれまでの歩みに終止符を打つことであり、死ぬことを意味しています。そしてすべてがなくなってしまうのではなく、死を通して復活が起こるように、神殿も清められ、真実の神の家に変えられるのです。だから、イエス様の宮清めは、イエス様の十字架の死を表し、清められた後に、真実の神の家になるように、イエス様の三日目の復活と新しい命が現わされているのです。清められるということは、死ななければなりません。死んで、そして復活して新しいいのちに目覚めるのです。死はすべての終わりではなく、まさにそこが始まりとなるのです。 このことは、私たちの人間形成においても言えることです。わたしたちが、神の言葉を聞いて、よいことを学び、そうだ、こうしようと自分の決断で、人間の自己改革をしていく先には、決して復活の命はありません。復活の命に生きるということは、死ななければなりません。人間的なものに頼って作り出すのではなく、神様による清めが大切であり、必要なのです。この神の清めがあってこそ、人は新しい命に生きることができるのです。他に、復活の命に生きるすべはありません。これが自分に死んで、神によって生きるということなのです。ですから、人は、神によって死ななければなりません。 伝道者パウロは、真の神殿は、目に見えるような建物が神殿ではなく、あなた方の心の中にある神殿こそがそうだと言います。(Ⅰコリント6:19参照)私たちも神によって清められなければならないのです。
by higacoch
| 2015-02-05 10:53
| ヨハネ福音書
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