「ヨハネが教え示した方」 マラキ書3:19-24、ヨハネ福音書1:19-28
先主日は証しについてお話ししました。今朝はヨハネが証ししていることについて学びたいと思います。今朝の聖書箇所には、祭司やレビ人たちに問い掛けられて、洗礼者ヨハネが応えた言葉が記されています。祭司たちは都エルサレムのユダヤ人に遣わされてヨハネの所に来ています。このエルサレムのユダヤ人とは、エルサレムの一般の住民ではなく、ユダヤの指導部の権力者たちと考えられます。権力者らがどうして彼らを遣わしたのかというと、ヨハネの正体を知りたかったからでした。遣わされた者たちが問い、ヨハネが応えていますが、最初にヨハネは、はっきりと「わたしはメシアではない」と応えています。その後、「エリヤでもあの預言者でもない。」と応えていますが、はっきり「自分は誰だ」とは語りませんでした。最後に語ったのは、「わたしは荒れ野で叫ぶ声だ。」、「『自分の後に来られる方』を差し示す者だ」と語りました。その方がメシアだと間接的に示しています。そして、その方こそ、イエス様でした。 ここで考えてみたいのです。ヨハネは、現代で言えば、誰でしょうか。ヨハネがしたような事を求められ、ヨハネのような叫びをしているのは誰でしょうか。誰が、「わたしのあとから来る方」を指し示し「この方を見よ」といっているでしょうか。「わたしの後から来る方」とは、イエス様です。イエス様を伝えようとしているでしょうか。 現代においてヨハネの働きをするのは、教会です。教会の主たる目的は、自己保身でも、自己満足でもありません。教会の中にいる人だけで、何かをすればいいと言うのではありません。教会内で互いに愛し合えばいい、互いに仕え合えばいいのではありません。また教会は、信者を獲得していくこと、教会の勢力を強くしていくことが目的でもありません。さらに言うのなら、教会が生き延びることが主要な目的でもありません。教会の為すべきことは、ヨハネが示した方、イエス様を知らせていくことです。罪のゆるしの救い、という喜びの福音、それを伝えていくことなのです。このことが教会存在の目的です。だから、人里離れた山に教会を立てるのではありません。人々が住み、人々が悩み、苦しみ、悲しみ、そうしたただ中に、教会が立っているのです。そこに建てられて、教会はイエス様の福音を伝えるのです。 教会に、そのような目的が与えられているということは、実は、教会を作り上げているわたしたちに与えられた目的でもあります。教会の長老、教会学校の奉仕者たちだけに、求められていることではありません。限られた人に任されていることではないのです。皆さん、一人一人に、求められていることです。福音を神の言葉と言い代えることもできます。そうすると、福音伝道は、神の言葉の伝道であり、神の言葉である聖書の言葉を伝えることでもあります。 わたしたちの東小金井教会は、今年、伝道50周年を迎えました。50年という期間、福音を伝道し続けてきました。この50年を思い起こし、ただ記念して、記念礼拝を捧げたのではありません。丹羽先生がマルコ福音書から「小船を用意しよう」と説教して下さいました。そして主に献身していくようにと促しを頂きました。献身し、これからも新たな思いをもって伝道していくことを薦められました。丹羽先生を通して、神様から勧められたのですから、わたしたちは、ここから再び出発していこうではありませんか。ヨハネが教え示したように、イエス様を、わたしたちも伝えていこうではありませんか。このことが今も、明日も求められていることなのですから。 ヨハネは「わたしの後から来る方」として救い主イエス様を指し示しました。しかし、わたしたちにとっては、イエス様は、既に救いの御業を成し遂げて下さった方です。(そしてその後イエス様は天に昇られました。)既に来られ、再びイエス様が地上に来られる間に、わたしたちは生かされています。再び来られるイエス様をまだイエス様を知らない知人、友人、家族に伝えていきましょう。救われた喜びをもって。
by higacoch
| 2014-12-20 10:17
| ヨハネ福音書
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