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2013年12月29日

「学者たちの訪問」  詩編21:2-8、マタイ福音書2:1-12 
                               
 私たちの教会では12月25日が過ぎれば、クリスマスの飾りを片付けてしまいますが、ヨーロッパやアメリカなどは25日が過ぎてもすぐには片付けません。そのまま飾っていて1月6日を終えると片付けます。そしてこの日を公現日と呼んで、この日に東方から来た学者たちが、幼子イエス様にお会いし、捧げ物を献上した日としてお祝いします。(ギリシア正教では、1月7日としています)
 さて、今朝与えられたマタイ福音書に東方の学者たちのことが記されています。彼らは東方で不思議に光る星を見、それは新しい王様が誕生したしるしだと信じました。そしてその新しい王に会いたいと願い、旅に出かけました。その旅で彼らを導いたのは、夜空に輝く星でした。星は彼らに先立って動き、ユダヤの国に導きました。彼らは、新しい王の誕生だと信じていたので、ユダヤの国の王ヘロデの宮殿に向かったのです。そしてヘロデ王に謁見し、「新しい王は、どこにおられるでしょうか」と尋ねました。それを聞いた王は不安を抱きました。東方の学者が訪れて、新しい王の誕生を訊ねたことを知った都の人々もヘロデと同様に不安を抱きました。それは新しい王の出現は戦争の始まりでもあったからです。一旦、戦争が始まれば、都は戦場化して、都の人々が犠牲になるからでした。 
 ヘロデ王は民の祭司長たちと律法学者たちを呼び寄せて、新しい王がどこで生まれるのか、預言書を調べるように命令し、やっと誕生の預言を見つけ出しました。その預言には、ベツレヘムだと記されているとヘロデ王に知らせました。それを知った王は、東方の学者を密かに呼んで、こう願いました。「その子が見つかったら、わたしにも知らせて欲しい、わたしも行って拝もう」と。これはその子を殺すための情報収集でした。
 そこで東方の学者たちは、ベツレヘムに向かって出発しました。がしかし、実際に、彼らを誕生の家に導いたのは、星の光でした。星が先立って進んで、新しい王の誕生の家を照らし、その上に止まったのです。彼らが非常に喜んで家の中に入ると、そこに母マリアと共に、幼子イエス様が寝かされていました。彼らはこの幼子が新しい王であり、メシアであると確信して、幼子イエス様を拝み、用意した宝物、黄金、乳香、没薬を献げました。
 彼らは学者で知識も豊かに持っていました。だからと言って、それらの知識でイエス様を見出し、イエス様に出会えたのではありません。彼らが新しい王、イエス様に出会えたのは、星の光の導き、すなわち神の導きがあったからです。
 そして彼らは新しい王に出会って満足したと言うのではありません。彼らは、幼子イエス様を拝んでいます。これは礼拝です。彼らの旅の目的は、イエス様に会うことではなく、イエス様を礼拝することでした。そして彼らは、ユダヤ人ではなく異邦人でした。異邦人がイエス様に出会ったと言うことは、イエス様が、すべての人のための王であり、救い主であるということが、公に、この地上に現わされた日(公現日)であると言うことなのです。
by higacoch | 2013-12-30 16:40 | マタイ
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