2013年12月22日

 「イエス様の誕生」  イザヤ書11:1-10、ルカ福音書2:1-20 
                          
 皆様と共に、クリスマス礼拝を捧げることができたことを、大変嬉しく思っています。今年のクリスマスは、忘れられないクリスマスとなりました。それはアドベントの期間に愛する二人を天国に送ったからです。そうしたことを通して、死を考えざるをえません。今朝与えられましたルカ福音書にも、死の危険があったことを覚えていたいと思います。死の危険があったという方は、乳飲み子、つまりイエス様です。当時、生まれた赤ちゃんの死亡率は高いものでした。赤ちゃんは自分で生きていくことができません。母乳が必要で、温かい環境が必要です。もしどちらかが欠けたら弱ってしまい、そのままだったら死んでしまいます。
 また今朝の箇所に3度も記されている言葉があります。それは「飼い葉桶に寝かされた」という言葉です。家畜小屋で生まれたということで、牛やロバや羊なども一緒にいて微笑ましい情景が、子どもたちの絵本などで書かれていますが、現実は厳しいものでした。この「飼い葉桶に寝かされた子」という言葉には、もう一つの意味があり、それは「捨て子」を意味しました。昔も今もあります。こうしたことを考えますと天使が羊飼いに告げたことは、現実的に理解すると大変厳しいものでした。天使はこう告げました。「恐れるな。私は、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日、ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである。」と。
 後半部で羊飼いに告げられたのは、「(救い主は)飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子だ」ということです。当時の理解で考えると、「えっ! 飼い葉桶の中に寝ている捨て子が、しるし。その子を見つける。その子がメシア救い主。」一体、どうなっているのだろうと受け止められます。これには羊飼いたちも驚いたでしょう。実際、羊飼いたち自身が、世の人から捨てられたような人でした。当時の人たちは、週一回、安息日には神様を礼拝するために集会所に行っていました。しかし羊飼いたちは、羊を野原において集会所行くことはできません。そうすれば羊は狼の餌食となってしまいます。羊の番をしなければなりません。昼も夜もです。彼らは行きたくても行けなかったのです。行けないことで、人々から蔑視され、神様からも見捨てられた奴らだと裁かれました。また羊飼いを職業とする人の中には、元々風来坊であった人や、落ちぶれて、職のない人たちが羊飼いになっていたということも多かったのです。こうしたこともあって羊飼いは人間の屑のように言われたりしました。そんな羊飼いに天使は告げたのです。「飼い葉桶の中に寝ている子がメシアだ」と。
 羊飼いたちは、この天使のお告げが本当なのか見に行こうと言って、まず行動しました。捨て子が死んでしまうかもしれないと心配して急いだのかもしれません。そしていろんな場所を回ってやっと乳飲み子を見付けました。そこにはその子の両親であるマリアとヨセフがいましたから、文字通りの捨て子でなかったことに一安心したことでしょう。羊飼いたちは、天使が告げたことがすべてその通りだったので、大いに喜びました。その喜びから、彼らの方から、人々に近づいて、この一連の出来事を知らせていきました。日頃は、軽蔑されていたので、彼らの方から人々に近づくことはなかったのに、救い主イエス様に出会えたことの喜びによって、イエス様の誕生を知らせたのです。
 イエス様の誕生は、人々から蔑まれ、神様からも見捨てられたと言われていた羊飼いたちに、まず最初に知らされました。これは、神様は羊飼いたちを、決して見捨てておられないということであり、そうした小さい者たちを大事にされたということです。そして、イエス様自身も捨て子と思われる程、最も低くなられて、その所でお生まれになったと言うことは、どんなに小さな、捨てられるほどの幼子、つまり命ある赤ちゃんを、決して見捨てられてはいないということ、神様から見れば、どんなにいろいろな障害を持っている赤ちゃんでも大事な命なんだということなのです。神様は小さな命を捨てられないだけではなく、本当に大事にされるということがここに示されていることです。イエス様の誕生は、世に捨てられていい大人も、赤ちゃんもいないと言うことを教えています。イエス様は、神様がすべての人を愛されて、その命ある存在が大事な存在とされていると私たちに告げているのです。このことを覚えるなら、あなたも、あなたのあかちゃんも、あなたのお子様も、イエス様から愛されているのです。
 イエス様の誕生を覚えて、メリークリスマス。
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by higacoch | 2013-12-28 18:36 | ルカ
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